目次
はじめに
コレステロール値は低ければ低い程いいと思っていませんか?
コレステロールについては嘘の情報が多く、特にテレビを通じて間違った情報が蔓延しています。コレステロールとはなにか?なぜ嘘の情報が流れ続けたのか?日本人に認知症患者が多い理由とも深く関わりのあるコレステロールの真実をお伝えします。
コレステロールとは何か?摂らないとボケる理由
コレステロールは体内に広く存在する脂肪に似た物質です。タンパク質、リン脂質と合わせて細胞膜を構成している主要成分の一つで、不足すると細胞が弱ったり、必要な物質の取り込みに障害が出ます。男性ホルモンや女性ホルモン、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンなど、重要なホルモンの原料にもなります。また、胆汁酸として胆汁の中に含まれていて、脂肪の消化を助けてくれる働きもあります。
通常7〜8割は肝臓で作られ、残りは食物から取り込まれています。医者に「コレステロールの多い食事を控えてください」と言われた人も多いかもしれません。では、コレステロールを食事から摂らないとどうなると思いますか?実は…体で作らないといけない量が増えるだけなのです。つまり、摂取量を減らそうが増やそうが必要なコレステロールの総量は決まっていて、常に体は足りない分を作り出しているのです。だから食事でたくさん摂取する方が、体で作る量が少なくてすみます。肝臓がコレステロールを作る場合、脂肪や炭水化物などを材料にします。コレステロールを控え、脂っこいものも食べず、炭水化物も控えたりすると体は悲鳴をあげてしまいます。
そしてこのコレステロール、体全体の40%が脳にあります。ほぼ細胞膜で作られている脳にコレステロールが多いのは当然のことだと言えます。しかし脳に使われるコレステロールには、食事から摂ったコレステロールも肝臓で作ったコレステロールも使えません。脳は、血液脳関門という関所で他の組織と切り離されているので、何も持ち込めないのです。ですから脳の中で独自に作り出したコレステロールのみを使います。脳が質の良いコレステロールを作るためには、素材となる質の良いコレステロールや動物性脂肪、炭水化物等を食べ物から摂取する必要があります。脳では毎日大量のコレステロールを製造しているわけですから、材料がないと頭は働かなくなってしまいます。
コレステロールには善玉も悪玉もない!
コレステロールには善玉(HDL)悪玉(LDL)と名前が付けられていますが、これは間違いで、どちらも体に必要なコレステロールです。LDLコレステロールは運送役、HDLコレステロールは回収役です。
LDLで問題になるのは活性酸素と結びついて(糖質やリノール酸が関連)受容体に取り込まれなくなった一部のケースだけです。その場合、LDLコレステロールは血中をさまよい血管を傷つけてしまいます。
でもこれも甘いものや加工食品、植物油の摂りすぎといった他の食事習慣に主な原因があるのであって、コレステロール自体の問題ではなく、またコレステロールの摂りすぎが原因ということでもありません。
でも、「コレステロール=血管が詰まる」というイメージは大きいですよね。このイメージはどこから生まれたのでしょうか?
それは1970年代アメリカ、ある発見がセンセーショナルに伝えられたことが原因です。当時アメリカでは肥満の人が増え、社会問題になっていました。そんな中、ある解剖によって、動脈硬化が進み詰まりかかった血管の中に、コレステロールが溜まっているのが発見されたのです。このことで、動脈硬化の原因はコレステロールだ!とみんな思ってしまいました。そしてこのイメージが強烈に残ってしまったのです。
しかし後の研究で、実はコレステロールは炎症をおこし、傷ついた血管を修復しようとしていたのであり、炎症をおこしていた真犯人(血糖スパイク、トランス脂肪酸など)は別にいることがわかりました。血中の正常なコレステロールが多すぎるからといって、血管にベタベタくっついたり炎症を起こすことはないのです。
つまり、LDLコレステロール値がいくら高くても、体内に活性酸素が少なく、糖分やリノール酸を摂りすぎなければ、動脈硬化や心筋梗塞の原因にはならないのです。
何を食べたらいい? 卵は何個まで?
コレステロールはたくさん摂ってもいい!ということが分かってきたと思います。ではどんなものを食べればいいのでしょうか。
コレステロールは肉類、魚、卵などに多く入っています。特に卵はおすすめで、1日3〜10個食べても大丈夫です。卵はコレステロールの代表で、食べ過ぎるとよくないと思われていますよね。でもこの間違ったイメージも海外のある実験結果からきています。
1913年にロシアで行われた「ウサギに卵をたくさん食べさせた結果、動脈硬化を起こした」という実験です。草食動物が動物性の卵を食べればコレステロール値が異常になるのはあたりまえのことです。しかし、この100年前の意味のない実験結果が「卵=動脈硬化」という固定観念になり、今も影響を与え続けているのです。
日本国内で近年おこなわれた実験では全く違う結果が出ています。
- 健康な成人が1日5〜10個の卵を5日間食べ続けた結果、コレステロール値にほぼ変化はなかった(1981年国立栄養研究所)
- 健康な成人が普段の食事に追加で3個ずつ、2週間食べ続けた結果、コレステロール値にほぼ変化はなかった(1981年東海大学医学部)
- 健康な成人が1日10個以上の卵を10日間食べ続けた結果、コレステロール値にほぼ変化はなかった(1998年国立栄養研究所)
- (※高脂血症、動脈硬化症などの方はこの限りではありません。摂りすぎにご注意ください。)
つまり上でも説明したように必要なコレステロール量は体が設定しているので、たくさん食べても値は変わらず、体が勝手に調整しているわけです。体が必要としているコレステロールの量は50kgの人で900〜1000mg程度、そのうち約300mgを食べ物から摂ると、600mgを肝臓で作ります。500mg食べ物から摂ると、肝臓で作る量を400mgに減らして調節します。食べ物からたくさん摂った方が体の負担は減ります。
脳で使われるコレステロールでおすすめなのは、魚です。魚に含まれる魚脂、オメガ3脂肪酸(EPA,DHA)は脳萎縮を予防する効果があることでよく知られています。脳では800〜1000mg以上のコレステロールを作っていますので、魚脂も1000mg以上摂ると良いようです。認知症がある人なら2000〜3000mg以上の摂取が勧められています。
お菓子なら卵を使ったドーナツやカステラ等に入っていますが、糖分や植物油、トランス脂肪酸の摂りすぎには要注意です。油脂類ならバターやラードに含まれます。これも限度がありますが、コレステロールを控えるためにバターをやめてマーガリンを塗る、ラードをやめてサラダ油を使うというのは、逆に体に悪いというデータが出ています。(トランス脂肪酸やヒドロキシノネナールが含まれる為)
高コレステロール血症は検査病
基準値を設けることでそれ以上だと病気だ、と診断されてしまう検査病。人間は健康な状態が一人一人大きく違うにも関わらず、製薬メーカーが決めた基準値から外れるだけで病気とされることは怖いことです。検査病は他にも高尿酸血症、高血圧症などがあります。
血液検査で分かるコレステロール値ですが、2012年までは総コレステロール値というものが基準で、220mg/dl未満が正常とされてきました。220は低すぎる値でしたが、ここ近年総コレステロール値の嘘がばれはじめた為か、血液検査で総コレステロール値を表示しなくなりました。その代わり今はLDL、HDL、中性脂肪の3つの指標に分けて表示されています。LDLは悪玉コレステロールと呼ばれ(実際は悪玉ではない)異常に低い基準値に設定されています。健康な人でも軽度異常(120以上)、要経過観察(140以上)、要治療(180以上)としてコレステロール低下薬を処方される場合があるので注意が必要です。
このブログでは総コレステロール値を基準に書いているので、参考にされる方は血液検査の下記の値を足して計算してください。
総コレステロール=LDL+HDL+(中性脂肪/5)
実はコレステロールは低い方を心配すべきであって、220mg/dl以下でもいいのは20代前半まで、それ以降は230〜260mg/dl以上ないと死亡率が高まります。女性の場合は、50歳以上なら280mg/dl以上ある方がいいというデータが出ています。
40歳を過ぎたら260mg/dl以上がいい
通常、年齢が上がると自然にコレステロール値が高くなってくることが多いです。しかし、それは病気ではなく体は必要があってコレステロール値を高くしているのです。
女性の場合、閉経の影響で60才くらいから急にLDLコレステロール値が高くなります。でも女性ホルモンが活性酸素を抑える抗酸化作用をもっているので、LDLが高くなってもまったく問題ありません。しかし、このあたり前の現象を異常扱いすることで、日本の女性は男性の2倍もコレステロール低下薬を服用させられています。
特に60才以上の女性はコレステロールが高くても、心筋梗塞のリスクが低いことが分かっています。薬の副作用で、むしろ心筋梗塞が増えるというデータさえ出ているのです。(スカンジナビア地方の研究結果)
ヨーロッパでは非喫煙なら50才までは薬物治療はせず、60才以上でも総コレステロール値250〜290mg/dl以上ないと薬物治療の検討はしないのが普通です。
男性もコレステロール低下薬は不要です。260mg/dlまでは高い方が死ににくいというデータが出ています。
» 参考:コレステロールと死亡率の関係 | 前橋内科循環器科医院
また総コレステロール値が220mgmg/dlを超える(心筋梗塞を起こしたことのない)成人に対して、コレステロール低下薬がどれくらい心筋梗塞死の予防として効果があるかを調べたところ、男性で3600人に1人、女性で1万800人に1人程度の予防効果があると思われる…という程度で、有効性はないに等しいことが分かっています。(J-LITのデータ利用)
とにかくコレステロールが低くなってしまうと、癌も増えるし、脳出血やコレステロールが高い程発症すると思われている心筋梗塞も増える。やる気が減退してうつになる。
最も長生きするのは総コレステロール値240〜260mg/dlだと覚えておきましょう。
コレステロール低下薬を飲むとどうなるの?
コレステロール低下薬の最大の問題は、脳内でのコレステロール合成まで阻害することです。脳では毎日大量のコレステロールを作り出して頭を働かせているのに、コレステロールが作れなくなると痴ほう症状が出るのはあたりまえのことですよね。
そしてもう一つ問題があります。コレステロール以外の、重要な物質まで生成が阻害されてしまうことです。
肝臓で脂肪酸やブドウ糖からコレステロールが作られる際に、補酵素Q、ドリコールといった物質も一緒に作られます。補酵素は生体エネルギーを作るのに重要な働きをしますが、なかなか食品では取り入れられない重要な物質です。またドリコールは細胞膜で重要な働きを果たしている糖タンパクの材料になっています。つまりコレステロール低下薬を飲むことで、様々な物質が欠乏して神経障害や免疫異常が現れます。
ほかにも、乳がんなどの発生リスクが高まるという指摘もあります。
つまり、免疫がおかしくなり、神経障害が出た上、頭がボケてしまう。他の病気発生リスクも高まる。先天的な脂質異常や特別な病気でない限り、コレステロール低下薬は飲まない方がいいのではないかと思います。
動脈硬化学会のガイドラインの嘘
病院では動脈硬化学会が作ったガイドラインを使ってコレステロールの指導や治療を行っています。
この動脈硬化学会のガイドラインに使用されているデータは、1980年代のアメリカで行われた疫学調査をもとに作成されています。コレステロール値が低い程、心筋梗塞のリスクが下がる根拠として有名な調査です。
しかしこのデータは、若くで心筋梗塞を起こしやすい家族性高コレステロール血症(FH)の人を混ぜた調査結果を使用していることが分かっています。そもそもアメリカ人と日本人の体質の差(日本人の心筋梗塞発症率はアメリカの1/4)も大きいですし、かなり恣意的にデータが作られていることは明らかで、信用できません。また同じように有名なフラミンガム研究のグラフというものがありますが、これも家族性高コレステロール血症(FH)の人を混ぜた恣意的なデータとなっています。
コレステロール低下薬の効果を示したデータについても、英国のBMI26という、かなりの肥満者を集めて調べたもので、そこまで肥満が進んでいない日本人には適応できないものだと指摘されています。
つまりコレステロールは低ければ低い程いいという誤解を生んだ理由は二つ。
- 動脈硬化学会によるコレステロールが悪者であるという嘘のデータが知れ渡った。
- 欧米の(恣意的な)データを元にしておるにも関わらず、日本人にもあてはまると思い込まされた。
「コレステロールは高い方がいい」の著者笠本氏は、動脈硬化学会は、製薬メーカーと組んでコレステロール低下薬を売りたいが為に基準値を捏造した!とはっきり指摘しています。
このようなコレステロール利権がない、日本人間ドック学会が出しているデータを見ると、240mg/dlからが要検査、閉経後の女性では260mg/dl※以上が要検査となっています。※検査しても動脈硬化していないと判断された場合、薬物治療の対象は280mg/dl以上。
しかも、日本人間ドック学会の所長は、総コレステロール値が高くても、HDLコレステロールが高い場合は長生きできる。一律に薬物治療すべきではないと断言されています。
※日本での大規模な疫学調査では、日本脂質介入試験(J-LIT)という調査が有名です。
まとめ
動脈硬化学会、製薬メーカーと専門家や研究者はガイドラインの数値を介して共犯関係が成立していることがお分かりいただけたかと思います。私たちが脅されてきたコレステロールの基準値はかなり低く設定されており、本当はもっと高くてもいい。むしろ日本人はもっとコレステロールを摂った方がボケないで長生きできる!ということです。
動脈硬化学会や製薬メーカーはマスコミ操作によって国民の恐怖をあおる一方、非専門医に対しても220mg/dl(LDL180mg/dl)を超すと治療が必要であるという間違った情報を提供してきました。悪意のない優秀なお医者さんでも、いまだにコレステロールは低い方がいい!と信じ込んでいる人が多いのが実情です。
コレステロールは命の源!いっぱい食べて、ボケない人生を送りましょう。
もっと詳しく知りたい場合は、下記の本をおすすめします。コレステロールの必要性、低下薬の危険性、糖質やリノール酸の詳細など知っておいた方がいいことが分かりやすくまとめられています。
参考にした本:
コレステロールは高いほうがいい―日本のコレステロール治療がおかしい! | 笠本進一
コレステロールを悪者にしたてたのは誰だ! | 内野元
コレステロールのお話し、なんとなく知っていたような話しでしたけど、改めて理解が深まりました!ありがとうございます。
武田邦彦のいろんな情報発信も捏造だとか言ってる人もいたりで何が本当に正しいのかよくわからない部分もありますが。
マスコミやメディア、医療業界や製薬会社が意図的にコントロールしようとしてるのは間違いないですよね。まあその業界にとってはビジネス的な目的もあるでしょうし当然と言えばそうだとも思うので理解はできますが。
今はちゃんと調べればいろいろ情報がわかる訳ですからテレビの言ってることを鵜呑みにするとかではなくちゃんと考えるようにした方がいいですよね。
お花畑でいた方が幸せだと思うならそれはそれでいいのかもしれませんが。
>アッサジさん
コレステロールの話、いろいろ調べる人はもう知ってる情報も多かったと思います。たしかに武田先生も以前お話されてましたね。コンパクトにするために端折っていますが、専門家の話を聴いたり本を読むと、製薬メーカーが金儲けの為にいかに基準値を捏造しているかが分かり、病院行くから病気になるってところがあるな…と怖くなりました。コレステロールに続き、血圧の話もまとめようと思っています。
本当にテレビは嘘が多いので調べるようにすることが大事ですね!お花畑で生きていると健康まで食い物にされてしまいます…
コレステロールの話は初めて聞きました。
医学界って色々な利権(特に癌治療)が絡みあってますよね。
メディアって新な発見があって、これまで正しいとされていたことがあっても、基本訂正しませんし、メディアの事なんて本当にあてになりませんよね。
情報が多すぎる現代いかに正しい情報を得るかが鍵ですよね。
>一本指さん
日本ではほとんどのお医者さんが良心的だと思いますが、その上にいる日本医師会とか動脈硬化学会とか製薬メーカーの利権が健康な人を病気にしてしまう諸悪の根源ですね。
たしかに癌治療って利権多いみたいですね。そもそも病院は西洋医学で対症療法が基本なので限界はあるのでしょうが、癌は体質改善でかなりのケースが治ります。病院でそれを知ることができないのが怖いですね。
ほんと、コロナの件でますますメディアの訂正しない態度、ウソ体質が明らかになってきました。
正しい情報を得るのは難しいですが、できるだけたくさん収集して自分で検証する力を磨くしかないんでしょうね…