なぜ天皇が必要か?なぜ女系天皇がダメなのか?天皇のなぜ、わかりやすく説明

「天皇はいなくても問題ないんじゃない?」
「天皇が女性でも問題ないんじゃない?」

と、ひそかに思っている人のために、日本になぜ天皇が必要なのか、そして最近話題になっている「女系天皇」「女性天皇」の何が問題か、を簡単に説明したいと思います。

日本に天皇が必要な理由

まず、意外と知らない人が多いのですが、日本って世界で一番古い国だって知ってましたか?世界の中で日本だけがずーっと日本です。

出典 livedoor.blogimg.jp (一部強調)
» 参考:【ギネス認定】日本は世界最古の国 | NEVERまとめ

日本が一度も侵略されず、国が変わってしまうほど激しい勢力争いも少なく、おおむね平和を保ってきたのにはいろいろ理由があります。

まず日本は海に囲まれているので他国から侵入しにくく、自然豊かで四季もあり、日本人同士で土地や食べ物を奪い合う必要があまりなかったということは大きいでしょう。しかしもう一つ大きな理由として、かなり早い段階で「平和を保つシステム」として天皇をつくったということが上げられると思います。

日本にはずっと天皇がいました(令和天皇で126代目)。天皇の役割は時の権力とは関係なく日本国民の象徴であることです。日本は神道の国ですから、八百万(やおよろず)の神がいます。天皇もそういった神の末裔であるという設定になっています(※1)。それを記したのが古事記や日本書紀といった古い歴史書(720年頃)です。日本の神道は教義も教典もないので宗教のカテゴリにすら入りません。そのようなおおらかな神の末裔として天皇を設定し特別な役割を担ってもらうことで、権力とは関係のない日本国民の象徴を置いたのです。

(※1)ものしらずの見解:日本の神は海外の一神教とは違う。神道は宗教的意味合いよりも、この世にある必要な構成要素が神であるという認識が強い。私たちが生きるのに必要な構成要素はすべて神であるという考え方で、太陽はもちろん、山や海などのあらゆる自然、そして先祖、また戦争で私たちを守る為に死んだ人も、その人がいなかったら私はいなかったという意味合いから神様として祀られる。 日本人が神に手を合わせるのは、自分が生かされていることへの感謝そのものと言える。
常に権力争いで一番になった人が国の代表になり国民を支配していると、国民の暮らしは不安定になります。国民に信頼されなくても、力さえあれば国を治めることができるというのでは問題が起こりやすいでしょう。

しかし、日本人は天皇に認証されなければ権力者になれないというシステムをつくりました。天皇は国民の象徴、日本国民そのものです。つまり権力者は国民に任命されなければ国のトップに立つことができないのです。これは国民主権の概念であり、日本はずっと国民主権の国だったということができます。

しかも天皇になる人は、権力者の野望によって決められない仕組みになっています。天皇は血筋でのみ引き継がれ、しかも男系の血筋のみと限定されていることで、権力者が自分の息子を天皇にしよう!と思って天皇の娘と結婚させても、その息子が天皇になることはできないのです。自分の娘を天皇の息子と結婚させた場合、その間に生まれる子供が男の子であれば孫を天皇にすることはできますが、不確実な上、すごく時間がかかります。そしてこの男系に限ることによって天皇の遺伝子が天皇家以外のものになることも防いでいます。(あとで図説)

また天皇は王様ではないので、権力がありません。地位は高いですが、立場は国民と同じです。だから天皇自体が国民を支配することはできません。天皇は神の末裔として、いつも五穀豊穣、日本国民の幸せを願う精神的な存在として役割を担ってきました。

天皇が常に国のトップにいるということで、間接的に国民が主権を握り、時の権力者の独裁支配や強権政治を防いできました。天皇が平和のシステムであるという意味がお分かりいただけたかと思います。

女系天皇がダメな理由

上記で天皇が男系の血筋のみに限定されていることで、権力者やそのの息子を天皇にすることができないという利点があると説明しました。そしてもうひとつ、男系に限定することで、天皇の遺伝子が天皇家以外のものになることを防いできたという利点について図で説明したいと思います。

遺伝子の中には性別を決定する性染色体というものがあります。男性はXY染色体、女性はXX染色体を持っています。子どもは両親から一つずつこの染色体を譲り受けます。そしてこの男性にしかないY染色体を目印にすることで、天皇の血筋を守ることができます。

最初の天皇1は水色のY染色体を持っています。天皇の長男2が次の天皇になります。長男2には息子がいないので、次男3か次男の息子4がその次の天皇になります。男系男子へ継承される場合、水色のY染色体は必ず引き継がれています。

しかし、長男2が亡くなる前に、次男3も次男の息子4も亡くなってしまった場合どうなるでしょうか?

通常は最初の天皇の親戚を捜し、同じY染色体を持った男系男子を探すのですが、ここで女性天皇も女系天皇も容認した場合を考えてみましょう。
その場合、長男の娘5が女性天皇になります。ここからは女性天皇5の持つ天皇家のX染色体に注目して見てください。

女性天皇5と他所から来た婿が結婚して次の天皇6が生まれます。6には天皇家の赤いX染色体が引き継がれていますが、Y染色体は他所から来た父のオレンジ色になっています。その6には娘7しかなく7が次の女性天皇になります。7は他所からきた来た婿と結婚してその次の天皇8が生まれます。さてここで8の染色体を見てください。87の母方の青色のX染色体と他所からきた来た父の緑色のY染色体を受け継ぎました。そしてとうとう天皇家の性染色体は消えてしまいました。

このようにして、Y染色体を残さないと天皇の血筋を守ることができません。代々その男系血筋を受け継いできた者でなければ天皇になれない、これを徹底することで能力や権力といった血筋以外の要素が入り込む余地を確実に排除できるわけです。

確実に天皇のX染色体をもっている一代限りの女性天皇は問題ないけど、女系天皇が認められその子供達が天皇になったら天皇の血筋は曖昧になり、途絶えてしまうということがお分かりいただけたと思います。

昔の日本人がY染色体について知っていたとは思えませんが、非常に的を得たシステムであり、男系を保ってきたという歴史が、近代になって科学的にも正しいことが証明された形になりました。

ですから、これは女性差別とは関係がありません。日本はもともと性差の違いを受け入れて、男女で役割りを分担してきたので差別が少ない国であったと考えられます。この場合も機能や役割を分けているだけで、女性が差別によって天皇になれないわけではないのです。

女性差別という言葉を持ち出して女系天皇を推進する人達は、上記のような方法で天皇の血筋の正統性を失わせ、その存在意義を曖昧なものにしようとしているのです。

今の上皇陛下、天皇陛下を見ても、政治とは関係なく日本国民の象徴として世界の国々に訪問し、平和的な友好関係を築き、日本の平和に貢献しておられます。わたしはこの日本の平和と密接に関係がある天皇という存在を私たちの時代に壊してしまうことは許されないのではないかと思います。

天皇と軍国主義

戦後のプロパガンダ教育により、私たちは「天皇が神であると信じていた為に日本は無謀な戦争に突き進んだ」と教えられてきました。天皇陛下万歳といって死んでいった日本人は政府の「神である天皇の為に命も捧げろ!」という国家的宗教戦略(=国家神道)に騙され、犬死にしたのだと教えられてきました。しかし、葦津珍彦氏の「国家神道とは何だったのか」(※2)を読むと、複雑な神道感が混在していた戦前戦中において、国家的宗教を国民に浸透させることは難しく、国家神道に対する解釈もかなり現代と異なっていたことが分かります。

天皇陛下は八百万の神の末裔であるという日本人の神道感、天皇は日本国民そのものの象徴であるという抽象的な概念は古来から変わっておらず、戦時中だけ天皇は一神教的神様だという宗教心を植え付けられた、という話は誇張されていると分かります。

(※2)昭和61年の神社新報創刊40周年記念事業として発行された著書。膨大な資料をもとにして書かれたことで有名。

天皇陛下万歳という言葉には、身近な家族を含む日本国民がいつまでも幸せでありますように!という思いが込められていたのではないでしょうか。私たちはそのように死んでいった人達の死を決して無駄にしてはいけません。教科書で学んだことをもう一度考え直す必要があります。

戦後、日本占領政策の一環として行われたプロパガンダの影響は今も続いており、一部の日本人は天皇に対する敬意を失いつつあります。天皇は極右の宗教、精神的支柱などではありません。ましてや軍国主義の象徴などではありません。天皇は日本国民そのものの象徴であり、日本の「平和を維持するシステム」なのです。だからこそ、日本を弱体化させる為に、まず天皇をなくしたいと思う勢力がたくさんいるということを理解してほしいと思います。

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4 COMMENTS

一本指

なるほど!
天皇については一切知りませんでした。
とても勉強になります。

しかし、何故政治的権力のない天皇が戦争を起こしたと言われたのでしょうか?
また何故政治的のない天皇が8/15のポツダム宣言の受託後、国民に終戦のことを放送したのでしょうか?

来月は八月なので、一度では収まらないと思うので、太平洋戦争について詳しく教えて欲しいです。
ハルノートは実はハル長官が作った文書ではなく、ハル長官はハルノートと言われるのを嫌がっているとか、ハルノートの内容が書き換えられたのは、ホワイトというソ連の工作員(戦後に出世するがスパイ容疑で捕まりそうになり自殺)によるものだとか…
そこら辺の真偽を知りたいです。

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寺島てら

>一本指さん
天皇は戦争とからめて感情的に説明されることが多いので、今回はあえて「そもそも天皇が日本にとってどういう存在なのか」という根本的な点に絞って語ってみました。

天皇、神道というのは日本特有の概念であり、外国の人には理解できない面があると思います。戦後、天皇が海外から「国家元首」「最高指揮官」という立場として責任を問われる場面もありましたが、私は天皇はそのような立場には当てはまらず、天皇による統帥、統治はなかったと思います。いわゆる神的権威というものもなかったと思います。その理由こそが、この記事で語っていることです。

太平洋戦争についてのリクエストありがとうございます。戦争については必ず書きたいと思いますが、かなり時間がかかると思います…(8月は無理かも)。最近は詳しい専門家の情報が手に入るので、私がまとめる意味があるのか、またまとめられるのか…自信がありませんが、挑戦してみたいと思います。

なかなかブログを書く時間がとれず、ゆっくりペースで恐縮ですが、また見ていただけると幸いです!

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