レジ袋有料化のなぜ?をわかりやすく説明—海洋プラごみ問題・マイクロプラスチックとは?

レジ袋有料化

2020年7月から、レジ袋有料化がスタートしました。
有料化の理由は「海洋プラスチックごみが海の生物などに与える影響が懸念されているから」だそうです。

» 参考:プラスチック製買物袋の有料化スタート | 経済産業省

・・・おかしくないですか?

日本ではプラスチックごみは、90%以上焼却処理されているはずですよね。それとも、何%かは海に廃棄しているとでもいうのでしょうか?
そしてレジ袋が有料化したからといって、プラスチックごみ自体減るんでしょうか?
あと、急に騒がれ始めたマイクロプラスチック問題ってなんなのでしょうか?

疑問だらけなので、調べてみました。

日本のプラごみは海を汚しているのか?

まず、日本のプラスチックごみが海洋汚染と関係あるのか調べてみましょう。

環境省のサイトには、

…他素材と比べて有効利用される割合は、我が国では一定の水準に達しているものの、世界全体で見れば未だ低く、また、不適正な処理のため世界全体で年間数百万トンを超える陸上から海洋へのプラスチックごみの流出があると推計した研究もあり、地球規模での環境汚染が懸念されています。

と書かれています。

» 参考:プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて | 環境庁

そもそも日本ではごみの回収が各自治体によって効率よく行われており、焼却率が高いです。リサイクルの為にきれいに洗って分別回収されているプラスチックゴミも、ほぼすべてがサーマルリサイクルという名の下に燃えるゴミと一緒に(または別に)焼却されているのが実状です。日本では、他国で問題になっているような、あやしい業者が儲けを得る為に海外から輸入したり回収して海に投棄するという実態はありません。

街中がごみだらけで、その一部が海に流れ出てしまっているという割合も、海外に比べると少ないでしょう(ほぼないと思います)。環境問題に取り組む国連環境計画(UNEP)ですら「日本は環境への意識が高い、市民意識が高く、管理されている」という評価報告を出している程です。

つまり日本国内からはゴミ(プラごみ含む)が海に流出している実態はほぼないということです。

しかし、環境省のページにはちょっと気になることが書いてあります。

日本から中国への輸出量が減少し、従来月7万トン前後だった輸出量は、2017年12月末に禁輸措置が施行された後は、わずか月数千トンまで減少しています。他方で、中国への輸出量が激減した結果、東南アジア諸国がその受け皿となり、タイ、ベトナム、マレーシア等への輸出量が増大しました。ところが、中国ほどの処理能力を保持していない東南アジア諸国に、短期間で大量のプラスチックごみが輸入されたため、自国内にプラスチックごみが滞留し、東南アジア諸国でもプラスチックごみの輸入に制限をかける国が出てきました。その結果、我が国からの輸出量は2016年は153万トンでしたが、2018年は101万トンまで減少しています。

つまり、プラゴミ輸出は中国に断られたこともあって2018年以降減少してきてはいるが、今も処理能力の低いアジアの国に100万トンも輸出している実態があるということです。(2019年は90万トン

国内のプラスチックごみの総量は約900万トン(2016年)なので10%程度が輸出されていることになります。

また、日本の海岸に漂着したペットボトルの製造元を調べたところ、ほとんどの場所では外国製の方が多いのですが、根室、函館、国東では日本製のペットボトルの割合の方が多く5~7割を占めていることが分かったらしいのです。

(しかし、この根室、函館、国東の数字をよくみてみると、かなり漂着した個数自体が少ないようです。根室は35個で、その内の72%(26個)が日本製、国東では66個で、その内の62%(41個)が日本製となっています。大量のペットボトルが漂着していて、よく見ると日本製のものが多い。というわけではないようなのでご注意ください。)

このことから、日本国内からはプラごみが海に流出することはないが、海外に輸出したプラごみの一部が海に流出している懸念がある。と推察できます。

日本が海洋プラスチックごみ問題でやるべきことは、レジ袋を有料化することではなく、プラごみの海外輸出をやめ、自国の高性能な焼却炉で燃やすことではないでしょうか?

だいたい日本は性能の高い焼却炉があるにも関わらず、何の為にプラごみを他国に輸出しているのでしょうか?

それは、リサイクルをしているふりをする為だと思います。プラごみは全部燃やしているわけではなく、環境に配慮して海外に輸出してリサイクル品の製造に役立てています!と言いたいのです。しかし、実際はプラごみから製品を作るというようなリサイクル技術は非常にコストがかかり(逆に石油を大量に使う)やる意味がない上に、他国にその技術があるわけでもなく、違法業者が請け負って海に廃棄するということが問題になっているわけです。

以上のことから、日本は間接的に海洋プラスチックごみ問題に加担しているが、レジ袋の有料化では問題を解決できないことがはっきりしてきました。

レジ袋有料化の本当の理由とは?

では、レジ袋の有料化は何の為にするのでしょうか?

海のプラごみが減らなくても、レジ袋有料化でプラスチックごみが大幅に減り、それがエコに繋がるのでしょうか?

結論から言うと、レジ袋を有料化してもプラスチックごみの割合はほぼ変わらないと考えられます。

多くのレジ袋は家庭でごみ袋として使われています。レジ袋が有料化して全員がマイバッグを使ったとしても、レジ袋に変わるごみ袋は必要なので、似たようなビニール袋は購入するでしょう。結局もらっていた袋を自分で買うだけで、ビニール袋の消費量はたいして変わらず、プラスチックごみの総量もほぼ変わらないと考えられます。

そしてこちらの記事でも書きましたが、プラスチックごみというのは非常に燃えやすく、日本では80〜90%以上が焼却処分されています。分別回収に意味はなく、燃えにくい生ゴミなんかと一緒に燃やす方が効率的なのです。レジ袋が有料化してプラごみが少し減ったとしても、「焼却しにくいから減ってよかった」というようなことはなく、プラごみが減ること自体にほとんど意味がないと思います。

さらに付け加えると、新型コロナウイルス対策で衛生習慣が求められるこの時期にエコバッグを推奨するというのはいかがなものでしょうか。食品には濡れたり野菜等こまかなくずや繊維が袋の中に残る場合が多く、買い物袋を繰り返し使うことは衛生的ではありません。わたしは個人的には新型コロナウイルスは日本での脅威は少ないし、多少不衛生でも問題ないと思っています。しかし、死者150人が出た段階で緊急事態宣言を発動し、3密を避けよう!手を消毒しよう!ということを推進している政府の立場としてはかなり矛盾していると思います。

では、このように論理的に破綻しているにも関わらず、日本からプラスチックごみを輸出したり、レジ袋を有料化する本当の理由とは何なんでしょうか?

それは、海外から日本も環境問題に配慮している姿勢を示せ!と圧力をかけられていることに原因があると思います。

2018年のG7で安倍総理は「日本海に流れ着くのは中国や韓国からのもので、日本だけでは減らせない。世界全体で取り組むべきだ!」とめずらしく強気の発言をしました。

しかし結局は「日本国民も負担を背負って環境問題がんばっています」とポーズを示しておいた方が無難だろう…という流れは断ち切れず、このような理不尽な負担が強いられることになったわけです。

しかし日本では有害ガスの排出を抑える高性能なごみ焼却施設でごみを処理しています。街にゴミがあふれている地域もなく、公共意識の高さは国連環境計画も認めています。技術開発によって公害問題も克服してきました。地球温暖化対策にも取り組み、今や日本は世界の中で3.5%未満しかCO2を排出していません。そんな日本がこれ以上のポーズをとる必要があるでしょうか?

» 参考:世界の二酸化炭素排出量(2017年) | JCCCA

日本は世界に向けてしっかりと環境への取り組みをアピールし、有料レジ袋などという無意味なパフォーマンスはやめるべきです。そしてアジアの国々に、プラごみではなく、日本の環境対策の技術をどんどん輸出すべきです。

そうする為にも、私たち国民が正確な情報に基づく意見を持ち、政治に反映させていく必要があると思います。

マイクロプラスチックって何?分解されない?

マイクロプラスチックというのは、1〜5mm以下の小さいプラスチック粒のことだそうです。もともと大きいプラスチックごみが紫外線で劣化し波や岩などに粉砕され小さくなったもので、小さくなると分解されにくくなり、海洋生物の体内に入って濃縮したり、詰まって閉塞を起こしたり、内臓への損傷を与えるということで問題視されています。しかし、長期的な影響については未知であるとされています。

生物へ与える影響は、あくまで物理的影響であり環境ホルモン(※1)のように内分泌系への影響については、あまり指摘されていないようです。

(※1) 環境ホルモンとは:私たちが汚染した環境に含まれる化学物質が、ホルモン作用を起こしたり阻害したりして生物に有害な影響を与えていると騒がれ社会問題になった。2000年前後から数年間報道されたが、実際そのような事例はないことが判明。両性型の魚がオスになったりメスになったりする映像を用い環境ホルモンの影響だと報道されるような例があった。実体がないことが分かると報道はなくなったが、訂正はされていない。

このマイクロプラスチックが問題だ!という主張には反論も多数あります。材料学の専門家の意見で代表的なものは、もともと生物の死骸である石油から作られるプラスチック製品は非常に分解されやすく、小さくなればなるほど分解される速度は速くなるのが通常である。小さくなったら分解されないという事実はない。海洋プラスチックごみ、マイクロプラスチックが与える生物への影響は軽微である、というものです。

また海外の多くの組織、科学者も疑問を呈しています。

  • 現在の環境中で測定できるマイクロプラスチック濃度は遥かに濃度レベルが低く、しきい値を下回っており、マイクロプラスチックが人間あるいは環境に影響を与えるという信頼できる証拠は無い(欧州アカデミー)
  • マイクロプラスチックの人体内での挙動は毒性を明らかにするにはデータが十分でなく、有害かどうかを言及するのは時期尚早だ(欧州食品安全機関)
  • 水道水とボトル入り飲料水に含まれるマイクロプラスチックが現状人体に影響を与えることはない(世界保健機関)

よく見ると、マイクロプラスチック問題は、CO2地球温暖化を問題にしている同じ組織が提唱していることが多いようです。工業用研磨剤であるマイクロビーズが大量に流出している事実があるのであれば規制した方がいいかもしれません。しかし、日本の家庭で出たごみが海に流出して分解されないマイクロプラスチックとなり生物を傷つけているという話は不自然な点も多く、一概に信用できないと感じます。

どちらにしても、日本でプラごみを減らしたところで海洋プラごみ、マイクロプラスチックが減ることはなく、レジ袋の有料化、または削減が地球環境を守ることには繋がらないことがお分かりいただけたと思います。

プラごみ ペットボトル リサイクルの嘘

4 COMMENTS

アッサジ

いつも参考にさせて頂いてます。
ホンマデッカTVみたいにこのブログを見させてもらえば大体の概要、雑学がある程度わかる感じでとても有り難いです!
あと、レジ袋有料化なんて金儲けしてるだけですよね。

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寺島てら

>アッサジさん
とてもホンマでっかTVほどの迫力はないですが(笑)少しでも参考にしていただけて嬉しいです!
レジ袋有料化は意味ないですね。ほんとうに環境改善に効果があるんだったらみんな文句言わないとおもうんですけどね。

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一本指

マイクロプラスチックって言葉が出てきたのも最近ですよね。
いつもわかりやすく、問題の総点となるところがはっきりしていて、文章もわかりやすとても勉強になります。
自分的にはレジ袋より、ストローの方がいらなくね?
って思ってます。マックとか、スタバとかのストローって大人には要らないですよねはっきりいって。
あれば便利だけど無くても不便ってわけでもない気が…
そしてコロナの時期にレジ袋有料化の衛生面には脱帽です!!

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寺島てら

>一本指さん
参考にしていただき嬉しいです!
マイクロプラスチックは日本では2018年末(2019年初旬)から頻繁にメディアで報じられるようになったようです。ほんと最近ですね。
プラスチックの歴史は60年以上ありますから、なぜ今になって「小さくなったプラスチックは分解されにくい!」などという理論がまことしやかに報道されるのか、実にあやしいと思っています。

確かにレジ袋より、不要なストロー減らす方がゴミが減りそうですね。
ただでさえ不要なストローを「環境に配慮して紙製にしました!」とか意味不明ですよねw

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