「桜を見る会」の何が問題?安倍前総理の疑惑とは?—わかりやすく説明

2020年12月4日、安倍晋三前総理の後援会が「桜を見る会」の前日に開いた懇親会において、安倍氏側が補填(ほてん)した費用(5年で916万円)を政治資金収支報告書に記載していなかったことから、政治資金規正法違反の「不記載」にあたるとして公設第一秘書が略式起訴される事になりそうだ、という報道が出ています。

» 参考:安倍氏公設秘書ら略式起訴へ「桜」3千万円(※1)不記載か | 朝日新聞デジタル

(※1) 朝日新聞が報じている3千万円という数字は、4年間の総費用と参加者の会費を足したもので不記載の総額を示している。安倍氏側の補填(ほてん)額は年間100〜280万で、5年で916万円である。
今回、東東京地検特捜部が動いており、すでに20名以上の関係者を呼んで事情聴取をしていると言われています。「桜を見る会」が問題だ!と騒がれだして早2年。何が問題で、安倍前総理にはどういう疑惑があるのか?簡単にまとめてみました。

桜を見る会って何?

そもそも「桜を見る会」とは何か?というと、1952年(70年前)から毎年新宿御苑で行われている内閣総理大臣主催の公的行事です。その前身は、1881年(140年前)から開催されてきた天皇主催の観桜会だそうです。意外に歴史のある行事であり、その時々の総理が、各界において功績、功労のあった方々を招いて日頃の労苦を慰労し、親しく懇談する為に開かれているお花見会という感じです。

桜を見る会の問題点とは?違法性は?

毎年行われてきた伝統行事ですが、なぜ安倍前総理の時の「桜を見る会」だけがこんなに問題視されているのでしょうか?
安倍前総理は、2012年末〜2020年まで内閣総理大臣を務めました。任期が長かったこともあり、年々「桜を見る会」に招待する人数が増えていき、支出額も増えていきました。主な原因はここにあるようです。

2013年〜2019年の桜を見る会では、前夜祭としてホテルでパーティーが開かれました。招待された人は、一人5,000円ずつ支払って参加しましたが、実際には一人1万1,000円以上の経費がかかっていました。

その差額を、安倍事務所が補填して(支払って)いたにも関わらず、政治資金収支報告書に記載しておらず、しかも安倍事務所は当初「一人5,000円以上の出費はなかった」と説明していたわけです。実際には年間100万円以上を補填(ほてん)しており、5年で900万円出費があったことがわかりました。

でも、安倍前総理はこのお花見で「お金を儲けていた」わけではなく「お金を支払っていた」のに何の罪になるの?と思う人がいるかもしれません。基本的なことですが、政治家は「選挙区の有権者に対してお金を渡したり、飲食でもてなしたりしてはいけない」という法律があります。次回の選挙で、自分に有利になるように有権者を買収したり寄付行為を行ってはいけないわけです。

この買収や寄付行為は「公職選挙法違反」という重い罪になります。野党やマスコミは、安倍前総理の行いはこの公職選挙法違反にあたるんだ!と主張しているわけです。

公職選挙法違反にならない理由

しかし専門家の話を聴くと、このパーティーでの安倍事務所の支出(補填)が買収や寄付行為にあたる可能性は極めて低いと考えられます。その理由を3つ上げてみたいと思います。

1. 安倍氏は、毎回選挙で比例代表に名前を載せることなく大勝(得票率72%)しており、このような行事を利用して「選挙支援をお願いする」ということは考えづらい。またほとんどが選挙区外からの招待者である。

2. 政治集会や懇親会を行うことは違法ではない。政治家が集会を開いて政治情勢を説明したり理念を表明することは大切なことであり、その為の会場設営費やソフトドリンク等の経費は政治家側の出費で行っても問題がない。

3. 安倍氏側が5年間で補填したのは、全部で916万円であり、年間100万〜280万円程度であった。参加者は自らの飲食代を参加費として払っており、補填額は会場設営費として認められる範囲である。これが問題なら、他の政治家の政治集会もすべて立件される可能性がある。

政治資金規正法違反と安倍氏の罪

では結局、何が問題になるかというと、今回ニュースにもなっている「政治資金収支報告書に記載していなかった」という一点に絞られてくるわけです。公職選挙法違反とは違い、軽微な罪である政治資金規正法違反の「不記載」というルール違反が適応されるようです。安倍氏側の会計責任者が、100万だろうが200万だろうが、きちんと収支報告しないといけませんよ!とお咎めを受けるわけです。今回の会計責任者は公設第一秘書なので、この人が略式起訴され罰金を払うことになりそうです。

また安倍氏自身が任意聴取されるのでは?ということで騒がれていますが、安倍氏が会計を担当していたわけではありませんし、時の総理がそこまで細かい金額を把握している可能性は低く、聴取されても安倍氏が「私が記載しないように命令しました」等と言わない限り、こちらはお咎めなしでしょう。不記載という規則違反は、その政治家本人まで責任を追及されるような重大な罪ではないので、連座制(関係者の不備や犯罪であっても政治家や候補者本人の責任になる)が適応されません。

結局こんな瑣末な問題に、なぜ東京地検特捜部が動いたのか?という謎が残りますが、社会問題化したので、一応「うちは前総理でも忖度なく捜査するんだぞ!」というアピールも含めて解決に乗り出している、というのが実態のようです。つまり、「公設第一秘書の略式起訴」以上の展開は見込めないのが実状です。

野党とマスコミは、何を追及してきたのか?

最後にお金の不記載の問題とは別に、「桜を見る会」について2019年から野党とマスコミが主に何を騒いできたのか?という点にも触れておきたいと思います。

ポイントは安倍前総理、昭恵夫人が税金を使って「桜を見る会」を私物化しているのではないか?自分の支援者ばかりを呼んでいるのではないか?という疑惑です。安倍事務所側が、1年しか経っていないのに招待者名簿をシュレッダーで破棄したのは、招待者を知られると困るからだろう!公開義務があるのに違法だ!と騒いだわけです。

しかし「桜を見る会」は昔から総理大臣主催の行事なので、総理に招待枠があり、招待する人を決めることができるのは当然であり、ある程度仕方がないと言えます。自民党関係者や近しい人間が多めに招待されたとしても違法ではありません。

また、このような集会の招待者や政治推薦の名簿は公文書といっても「軽微」な内容にあたるので、政府としては法律上1年程度保管した後、内閣府の裁量で廃棄しても問題のない書類だったと説明しています。公文書といっても軽重があり、簡易な書類まで何年も保管する義務はないわけです。

そして名誉ある招待者は名前を公開することも可能ですが、一般人の招待者の個人情報は公開の対象にはなりません。当然ですが、法律で保護されます。招待者名簿を公開しないのは「当たり前」だと言えそうです。

ですが、2019年には参加者が1万8000人(前夜祭は800人)にまで増え、中には経歴に問題がある人(反社会的人物)もいたようです。招待者が増えすぎて管理できていないことは問題です。しかし、まるで招待された側にも問題があったかの報道、また招待者を公開しないことが問題であるかのような追及や報道には疑問を感じざるを得ません。

今後も「桜を見る会」問題を国会で追及すべきか?

現在、アメリカ大統領選挙が混迷を極め、新型コロナウイルスについても情報が錯綜する中、経済への打撃、安全保障上の問題等、日本が今議論するべき問題は山積みです。ほとんど無意味ともいえる、前総理叩きばかりを繰り返す野党の姿勢、またマスコミの報道には怒りすら感じます。

安倍前総理を批判するのであれば、経済政策や安全保障に関する政策に対して、もっと建設的な追及や批判ができるはずです。このような「桜を見る会」で100万円補填していたんだって!?とか、本当はやっぱり籠池さんと友達だったんじゃない!?というような瑣末な問題で騒ぎ続けるのは、逆に安倍前総理を利することになるのではないでしょうか?

だから、もはや自民党側がリークしているのではないか?という噂すら真実みを帯びて来るわけです。私たち国民は、マスコミの嘘と印象操作に流されず状況を把握し、より与野党に厳しい視線を向け、一刻も早くこのような無駄な議論をやめさせなければならないと感じます。

※一部ジャーナリスト須田慎一郎氏の情報を参考にさせていただきました。
» 参考:「桜を見る会」安倍前総理に新疑惑発覚!?菅政権・マスコミ・検察はこの大スクープをどう見ているのか?入り口を見れば出口が分かる「もう結論は見えていた!」 | [公式] ニューソク通信社

» 参考:【独自】安倍前首相の公設秘書ら、東京地検が任意聴取…「桜を見る会」前夜祭の会費補填巡り | 読売新聞

» 参考:「桜を見る会」の懇親会 領収書は安倍前首相代表の団体宛て | NHK

(了)

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2 COMMENTS

アッサジ

なるほど。
ニュースで名前は耳にしたり見ていましたけど内容を全然知らなくて、むしろ払っていたとか、勉強になりました。
わかりやすくまとめて頂いているのでいつもとても参考になります。
ありがとうございます!

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寺島てら

>アッサジさん
いつもコメントありがとうございます。
私もあまり興味がなかったのですが、ひどい偏向記事や報道が多いので、一応まとめておくことにしました。

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